令和5年12月31日(日)

令和5年12月31日(日) 雨一時曇り
 大晦日に竿を出さんと志すは、外聞に憚ること些かならず。加之、天候悪く雨が降りたれば、心中は甚だ鬱屈せん。然り乍ら9時前に雨事は上がるとの予報有之。せめて寸刻でも、今年の竿仕舞いに鯊を釣らんと長島漁港へ赴きたり。往路道中は雨止まず。竿は出せるやと訝しく思いけるも、果たして長島漁港へ到着す8時半頃には、曇天覆えると雖も見事に雨は上がりたり。天祐に相違無之と早速竿を出し、昨日余りし石ゴカイを餌に鯊を釣らんと仕掛けを投入す。微かに触り有之。道糸を弛緩す。刹那に緩みたる道糸が張れり。鯊の口先に届きし鉤が刺さりしと見当を付け、穂先を上げし。掛かりし鯊は、釣り上げられまいと抗いて躍動す。虚しく逃さば後は無之。決して外るる勿れと念じて、儘よと許り一気呵成に抜き上げたり。鯊の口蓋に刺さりし鉤は其の任を見事全うす。恙無く手元へと鯊を届けたり。型を測れば亦、5寸に些か足らぬは当地の癖にて、今更乍ら差し閊え無之。是を以て、歳末の竿納め及び今季鯊釣りの締めと為す。止みたる雨粒が復た曇天より降りたり。将に雨師が丁度良き頃合いを見届けるが如し。是非は不有之。踵を返し帰途へと就きたり。