令和6年8月15日(木)

令和6年8月15日(木) 晴れ
 甘木氏同道。昨日の如き釣果を倶にせんと、又候天竜川河口へ釣遊す。往路に払底したる餌の岩蟹を採取。底り近き故、一面底部露わにして瞬く暇に岩蟹を捕まえたり。曾遊の地にて正午前より開始す。但し台風接近の加減か西風強し。昨日は凪たる水面は畝り有之。やや荒れ模様にて、黒鯛を釣らん日和に尚宜しきと欣喜す。黒鯛釣り初回の甘木氏に先ずは次第を説かんと、岩蟹を潮上へと投入す。昨日と同じ個所へ誘導せり。然れど黒鯛の兆し見当たらず。昨日の旺盛は何処にや。今更話が違うでは、甘木氏に対し面目を逸すは必定なり。此処は早早に諦め、釣り場を改めた刹那、漸く1枚目の黒鯛を確保す。長寸33糎乍ら型の大小は問わず。坊主を回避して安堵す。本日此方が宜しき由。斯様な顰みに倣いて黒鯛を釣り給えと、内心の狼狽を秘して甘木氏へ竿を託したり。普段は箆鮒釣りに耽溺せる甘木氏、黒鯛竿の勝手が判らず、当初は振り込みに戸惑うも、漸次扱いに慣熟す。暫し後、穂先が入りて即座に掛け合わせるも、黒鯛に鉤素を飛ばされたり。復た掛ければ宜しきと、餌の岩蟹を打つも当たり無之。潮は疾うに緩み、最早望み絶たれしと思い始めたる15時前、不意に穂先が入りたり。次は逃すまじと竿裁きを助力す。奏功せるか水面へ浮きし黒鯛を恙無く網へと収めたり。之にて納竿す。本日の釣果は甘木氏分を含め〆て3枚なり。昨日と比して少なしと雖も、甘木氏釣り初めの黒鯛なれば、目出度きこと甚だし。斯くして、甘木氏は箆鮒より黒鯛釣りに宗旨変えとなるや否や、結末は神のみぞ知り得たり。