日別アーカイブ: 2023年9月3日

令和5年9月3日(日)

令和5年9月3日(日) 晴れ
 3時出立。釣遊先の子細は定めず。凡その心積もりで往路の途次に思案すれども、結局は豊川市御津町の釣場にて5時より開始せり。潮位は未だ低し。既に満ちたる昨日と異にす。竿12尺、餌は塩イソメを用いたり。当たり皆無にて、先回は五月蠅きくらい沸きしデキ鯊の競りは何処にやと、順々に釣場を移動せるも、進展は見られず。6時半を回りて、漸く鯊に動き有之。然れども7時過ぎの潮止まり迄に釣れたる鯊は、僅かに7匹を数えるのみ。型は言うに及ばず。今更転進も望み薄し。潮の下げ始めに期待せざるより術は無之。暫時俟ちて8時半頃に潮が流下す。而して是を契機に鯊の活性もまた嵩じたり。下げより一刻半程の間に〆て49匹を確保。型は均して小指乃至は中指の大きさと雖も、鯊の勢は正に掌を返すが如し。しかのみならず、鯊との間合い合致し、当たりを適宜捉え、能く鯊の上唇に鉤先を乗せ被れしは、幾星霜久しく無之椿事なり。寸刻の間乍ら稀有なる事象に邂逅す。恣に鯊を掛けし砌の、微かに背筋を走るが如き、得も言われぬ閑静な喜悦は、世界広しと雖も本邦に於ける鯊の脈釣り以外、厳寒期の鱮釣りを芟除してなお、比肩の探求に能わざると断じても、拙考浅慮の譏りは概ね免れ得る筈との迷妄に淫りつつ、竿を納めて帰途へと就きたり。