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令和5年12月2日(土)

令和5年12月2日(土) 晴れ時時曇り
 4時半出立。往路途上でG氏と邂逅。新年釣り大会の参加申込を兼ね朝日池へ赴くとの由。鯊釣りの帰路に朝日池へ寄ると約して別離す。6時前に長島川漁港着。師走入りし6時を過ぎてもなお日は明けざるも、街灯の光を頼りに竿を出し、前日に贖いし石ゴカイを餌に、何時もの如く沈船周りより開始せん。本日の潮汐は9時満潮にて水位未だ低き故、朧げに沈船の輪郭を視認出来たり。其の外郭に沿いて仕掛けを投入。此方より誘わず。一匹掛けせる石ゴガイの動きを倚りとす。俟つこと暫し、手許へ微かな震えを伝えけり。刹那、穂先を下げ道糸を緩めし。頃合いを見計らい乍ら穂先を持ち上げ、緩めたる道糸を再び軽く張りたれば、餌を咥えし鯊の靠れを感知せり。持ち上げられし石ゴガイを逃さんと、鯊は咥えた口中を閉じた儘に相違なし。然れども鉤先口中へ確かに入りたるか知り能わず。儘よと合わせし刹那、水底で鉤に掛かりて驚き抗う鯊の感触有之。僅かに撓りし和竿の弾性に与り、鯊を底より切らんとす。外るる勿れと祈念しつつ、水面を割りて上がれる鯊を恙無く確保したり。型は4寸9分と又候5寸に届かず。潮満ちて当たり止まれる8時半迄、〆て9匹の釣果なり。最後に釣れし3寸を除き、均して4寸上なれど、概ね鯊の靠れで取りたれば、冬場に於ける鯊釣りの妙を堪能す。踵を返し朝日池へと赴けり。此池は平成6年秋以来なれば、G氏の隣座へ腰を据え、不敢取は両団子の底釣りより開始す。15時過ぎ納竿。辛うじて3枚上げたれば、坊主の憂き目は見ず。而して隣座のG氏は9枚確保す。朝日池は近頃不調と仄聞すれども、周囲の箆師は頻繁に竿を曲げたり。箆鮒より疎隔されしは拙史のみ。池中の夾雑物と化さん。何をかならんと楽観し、釣技を伴わず徒に竿を出したる粗忽の報いなり。釣りは凡そ楽しからず。然らば釣道楽の涵養は爰に於いてをや。或いは須らく好事魔多しと思う可し。而して鯊釣りし今朝の余韻を糧に、針の筵の如き朝日池で彼岸の賑わいを睥睨しつつ、独り黙して静謐を保つ浮木を眺めるより致し方無之と諦念せざるを得ず。