令和6年3月17日(日) 曇り一時晴れ
師崎港6時25分解纜の初便で日間賀島へ渡島。何時もは同船者疎らなるも、本日は船室に釣客多し。仄聞せるに障泥烏賊が接岸せる由。乗船の砌、列を為す末尾にて居りては、船室へ這入るも能わず。船尾露天甲板に設けられし椅子へ腰を据えたり。海が荒れたれば波飛沫を被り及ぶに相違無之。幸甚にも凪の海を船は進みて杞憂に終われり。篠島で大半が下船す。代わりに徹夜釣りの釣り客を数多乗せし。船内の混み具合は左程変わらず。篠島での乗り降りに手間取り、日間賀島西港へは凡そ5分遅延の結纜なり。西港より徒歩約40分、本島北端に位置せる久淵港突堤先端部へ到達す。先端部外側は平積みの混泥凝土消波塊にして移動も容易し。8時過ぎより開始。消波塊に石蓴らしき付着も見られ、或いは海藻類が生い茂りて、根魚等の住処に相応しきと思いつつ、海没せる消波塊の隙間へ順順に打ち込むも、案に相違して触りは無之。渡船場より遠きと雖も、足場良き場所にして場荒れは免れず。何処も同じならんか。早早に踵を返さんと企図しつつ、然りとて諦め難く穴へ落とし込むに、9時を回りし頃、漸く笠子が鉤へと掛かりし。長寸18糎。孕みなれば放てり。潮は満ち流れ緩慢なれど、丁度時合の頃合いなるや、直ぐに穂先を締め込む強引有之。狭き狭間より抜き上げんと欲すも、些か粘りて難渋す。但し鮎魚女の類に非ず。恐らく筍眼張に相違無し。海面を割りて姿を見せしは、予想に違えず彼の魚なり。19糎の良型と雖も、其の身は旨からず。故に海へと還したり。爾後は当たり無之。10時半納竿。復路は徒歩20分の北港より乗船す。11時10分解纜。大型の車両航送船へ乗り込みし船客は僅か2名のみ。船室の座席へ腰を据えた刹那、徒労著く意識を保つに能わず。気付けば早くも師崎港に結纜しつつあり。荷物を携え急ぎ下船に及ぶ。眠りし儘に復た島へと航送される失態は免れたりと安堵す。