令和6年2月3日(土)

令和6年2月3日(土) 曇り時時晴れ
 本日節分なれば、乃ち立春を前に、鱮竿は之を納めるが古よりの倣いなり。因りて退嬰の誹りを受けると雖も、首を俯して旧套墨守に相努めるのみ。今季鱮釣りの終局に際し、せめて坊主は免れる可しとぞ意強く抱きて、拙宅を2時半に出立。一路某所へと釣遊す。7時前より開始せり。曇りて風は無之。冷え込み弱し。水深は2尺弱。竿2尺半にて連動沈り仕掛けを投入す。床迄落とさば外魚の鮒等を掛ける恐れ多し。而して成る可く宙層で鱮を釣らんと欲するに、最初の半刻は気配すら皆無。須く当たり坊主の終局と成る可し。斯くなれば水底へと鉤を落して様子を見たり。暫し後、糸浮子に微弱な動きを発す。鱮ならんやと請いて合わせるに、鉤へと掛かりしは薔薇鱮なり。底釣りは些か興趣に欠くも坊主を脱す。正に僥倖ならんやと、再び底へ落さば、刹那に鱮が掛かりし。水は愈愈冷え込みて温度の低下甚だしく、鱮も水底に逼塞せるを得ず。底に張り付ける鱮を浮かさんと、誘導に努めるも叶うこと無之。已む無く宙釣りを諦念す。復た底釣りへと転ずるに、鉤先は容易く鱮を捉えたり。10時納竿。釣果は〆て86匹。束には届かずと雖も、是を以て今季の鱮釣りは終局を迎えたり。