令和6年3月9日(土)

令和6年3月9日(土) 晴れ 風強し
 先週に引き続き強風に就き、長命寺川での本諸子釣りは断念せざるを得ず。代わりに四日市沖一文字堤へと思うも、渡船は荒天を理由に休航との由。波浪高ければ如何とも為し難く、思案の末、餌の岩蟹とゼンボを携えて清水へと赴きたり。6時前より巴川河口近辺より開始。本日大潮にて、清水港満潮時刻は5時半なれば、未だ潮は動く気配非ず。風は轟轟と強し。畝り有之も、底すら視認叶う程の透け潮なり。然れども薄暗き今ならボタへ寄りし黒鯛を仕留めらるる公算は高し。而してゼンボを餌に岸壁の際へ目印仕掛けを落とし込みたり。4投目で着底間際に止め当たりを発す。刹那に合わせるも、黒鯛は噛みて直ぐ吐出せるか、潰されたゼンボのも虚しく海中より返り来るのみ。黒鯛は寄りたると確信し7時半迄で落とし込み続けるも、爾後は当たり無之。已む無く折戸湾奥部の村松運河へと転進す。此方も風強く、普段は静謐の湾奥と雖も波気著し。船溜にして水深浅き場所なれば、目印仕掛けを外し、餌を岩蟹に代えて、船下或いは前へと打ち込みたり。潮の引き足速く、潮位は既に低くなりて水深は2米余。波と濁りを頼りに一帯を探り巡るも、一度穂先を叩く当たりで蟹を割られた以外、黒鯛を鉤先へ掛けるに能わず。9時半納竿。更に用宗港へと転移し、外魚の遍羅を釣り上げたるのみ。11時に焼津港の「かどや」で早めの午餐を済ませて西進。午後は吉田港湯日川河口に於いて、夕刻の満ち潮と共に遡上せる黒鯛を待ち受けるも、一向に気配皆無の儘、17時前に虚しく納竿となれり。春未だ浅き折に当たり坊主を逃れらるるは僥倖ぞと思いて云爾。