西之森で終日箆鮒釣り。現地へ6時半に到着す。風強しの予報有之。風裏の北側桟橋入口付近に座を据えたり。S氏来たりて幾人かと待ち合わせの由。S氏曰く並んで釣らんやと。然れど北桟橋は並ぶ程の猶予無之。已む無く南桟橋へと転移す。暫時してI氏来。準備を整え7時半より開始す。風は既に吹き出したり。南向きの釣れ座にて浮子の目盛を視認しがたしと雖も、相変わらず釣客多ければ、竿は規定一杯の13尺を選択す。少しは箆鮒も多しと思うも、案に相違して左に非ず。本日も独断場となりしS氏を横目に、餌を一刻許り打ち続け、漸く1枚目を確保す。9時過ぎにG氏来。明後日は朝日池の大会へ参加されしG氏は、調整を兼ね本日も段差の底釣りで箆鮒を狙うとの由。10時頃より箆鮒の活性上がれし。正午過ぎ迄に9枚と、昨今にしては上出来の釣果なり。ツ抜けは確実と邪に思う陋劣な心事が仇となりしか、隣接の焼肉サヤ川で昼餉後に釣れたる箆鮒は無之。虚しく15時の納竿に至りたり。北西風の為、隣座のG氏は流れに苦戦す。午前中は坊主乍ら、鉤錘の手段を用いて之に抗し、午後は4枚の釣果を得たり。明後日の朝日池でも有効ならば此策を用いるとの由。健釣を祈念して一同解散し、G氏と釣具屋に寄りて後、帰途へと就きたり。
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令和6年1月3日(水)
令和6年1月3日(水) 曇り一時晴れ
某所にて鱮釣り。漸く明るさを増せる7時過ぎより開始す。当初目論見の場所は鱮どころか外魚すら皆無なり。地点甲を嚆矢に乙、丙、丁、戊と回るも同じく気配は無之。此の地で竿を出すは凡そ十年振りなれば、冬場に付く鱮の場所を掴めむこと叶わず。斯様な仕儀は野釣りの常と思いつつ、宛ても無く徘徊せるに、ふと細流を目に留めたり。幅5尺に満たず、水深も4乃至5寸程、水色透明にして、仮令鱮を見出したりと雖も釣りを為すに能わず。但し導水管より細流へ落水の箇所のみ、底が抉れ窪みて尺余の水深有之。目を凝らさば、落水の奔流に平たき魚の気配を視認す。物は試しと落水せる箇所へ仕掛けを投入せり。軽き沈り仕掛けは水勢に負け流されるも、錘が底に辿り着きて、歪曲せる道糸が伸びし刹那、5連の糸浮子がツツッと横へ転移す。穂先を軽く上げ訊くと、1寸前後の薔薇鱮を釣り上げたり。鱮の付き場は此処なるやと安堵す。1時間許りで〆て26匹を掛け、十年の忘却を詫び、鱮と久闊を叙したり。午後より雨の予報なれば、11時過ぎに現地を発す。恙無く帰途へと就きたり。
令和6年1月2日(火)
令和6年1月2日(火) 晴れ後ち曇り
朝6時に出遊。西之森へ7時頃に到着せし折は、既に釣客数多揃いたり。駐車場も概ね満杯なれば、温泉前へ転進せん。斯様思いしところで、図らずもS氏と邂逅す。南桟橋は若干の猶予有之との由。然れば二日続けてS氏を隣座に西之森で釣遊せんと決す。予報にては無風に近し。念の為、北西より吹き付けし風を背に、釣り座を南向きと為したり。昨日同様、箆鮒の食いは甚だ渋し。周りを見ても竿は曲がらじ。唯一頻繁に曲げしは隣座のS氏のみ。段差の底釣りで箆鮒を頻繁に掛けたり。昨日の顰に倣いて、此方は見事に沈黙す。正午迄に釣れし箆鮒は〆て3枚。昨日は2枚なれば、釣果は1枚多し。西之森より踵を返し、午後は今年初開きの伊藤釣具へ転進す。釣り初めされしK氏及びO氏を見ゆ。年賀伺候旁旁釣況を尋ねるに、鮒の活性高しとの由。鱮を釣らんと東向き角に座を据えたり。水深は凡そ2尺程度。竿2尺5寸を出し、やや早沈りにて仕掛けを送り込みたり。底の鮒を掛けまいと、中層で仕掛けを小刻みに上下させ鱮を誘うも、最初に釣れたるは柿の種にて閉口す。鱮に非ずと雖も、不敢取は早早に坊主を逃れし。続いて仕掛けの糸浮子を些か斜めに曲げし当たりを取れば、コトコトと手許へ微かな感触有之。大陸薔薇鱮を確保す。昨今外池で稀有な鱮が釣れたるは幸甚なり。16時前納竿。釣れし鱮は2匹のみ。残りは鮒許りなれども、先ずは芽出度しとぞ思いて帰宅せり。
令和6年1月1日(月)
令和6年1月1日(月) 晴れ
越年を寿ぎ豊田市ひだ池にて釣り初め。歳末に釣遊せし砌は、如何にも後ろめたき心事なれど、一晩明けて元日を迎えるに心持一新、威勢よく拙宅を出で立ちて、未だ暗き6時過ぎには斯の地へ到着す。他者も同じと思いしか、既に駐車場は凡そ埋まれり。池主のO氏に年始挨拶後、荷物を抱えて踏み出したる桟橋は凍り付きて殆うし。足許に留意しつつ、旧桟橋40番へ釣り座を据えたり。例年は零下の気温にて、指先痛み、餌すら忽ち凍る程の寒さに見舞われるも、今年は気温2度、無風で寒さも和らぎ、甚だ釣り日和の元日なり。21尺の竿を選び、諸事万端準備整えて7時より開始す。7時半にS氏到来。隣座へ腰を据え、他は悉く長竿底釣りの中、宙釣りをせんと竿8尺を選べり。無謀ならんやとの疑義に意を介さず。果たして16時の納竿迄に14枚を確保せり。対せる当方は11時半前後に掛けし2枚のみ。一時は水面付近へと箆鮒沸きて、真冬の活性とは思われじ。釣れざりしと雖も、手の悴まぬ申分無之陽気な元日なり。釣果は〆て2枚乍ら、辛うじて坊主も免れし。之に不足を漏らすは太平の贅なりと言い聞かせ、広げたる竿等釣具の類を片付けし16時10分、俄かに携帯せる通信機より警報音を発したり。吾のみに非ず。桟橋上の釣人より悉く鳴動せる次第にて、異様なること甚だし。其の刹那、水面は凪にて静まりし浮き桟橋が、緩慢乍ら上下に揺れたり。凡そ1分に亘りゆらりゆらりと揺れるは如何なる事態ぞと、各各顔を見合わせるに、管理事務所より拡声器で一報有之。能登が震源なる地震発生との由。ひだ池を後に帰途へと就ける車中にて、ラヂオ受信機より刻刻と甚大なる被害出来の様相を伝えられし。将に迎陽の嘉祥は悉く暗転の思いなり。
令和5年12月31日(日)
令和5年12月31日(日) 雨一時曇り
大晦日に竿を出さんと志すは、外聞に憚ること些かならず。加之、天候悪く雨が降りたれば、心中は甚だ鬱屈せん。然り乍ら9時前に雨事は上がるとの予報有之。せめて寸刻でも、今年の竿仕舞いに鯊を釣らんと長島漁港へ赴きたり。往路道中は雨止まず。竿は出せるやと訝しく思いけるも、果たして長島漁港へ到着す8時半頃には、曇天覆えると雖も見事に雨は上がりたり。天祐に相違無之と早速竿を出し、昨日余りし石ゴカイを餌に鯊を釣らんと仕掛けを投入す。微かに触り有之。道糸を弛緩す。刹那に緩みたる道糸が張れり。鯊の口先に届きし鉤が刺さりしと見当を付け、穂先を上げし。掛かりし鯊は、釣り上げられまいと抗いて躍動す。虚しく逃さば後は無之。決して外るる勿れと念じて、儘よと許り一気呵成に抜き上げたり。鯊の口蓋に刺さりし鉤は其の任を見事全うす。恙無く手元へと鯊を届けたり。型を測れば亦、5寸に些か足らぬは当地の癖にて、今更乍ら差し閊え無之。是を以て、歳末の竿納め及び今季鯊釣りの締めと為す。止みたる雨粒が復た曇天より降りたり。将に雨師が丁度良き頃合いを見届けるが如し。是非は不有之。踵を返し帰途へと就きたり。
令和5年12月29日(金)
令和5年12月29日(金) 晴れ一時曇り
本日出仕納め。早早に帰宅途上、今年最終営業の伊藤釣具へ立ち寄れり。15時半より16時半迄、外池で竿を出すも、当たりは皆無に近し。釣果は納竿間際に掛けたる1匹の高麗諸子のみ。辛うじて坊主を回避す。是を以て恙無く外池の釣り納めを終えたり。
令和5年12月24日(日)
令和5年12月24日(日) 晴れ
朝6時半より長島漁港で鯊釣り。今朝も亦、無風凪にて冷気緩み、指先痛からず。師走も半ば過ぎ、平場で鯊を掛け能うは此処のみと雖も、週末の暇日に飽きもせず毎度釣遊に及ぶは、興趣の毀損些かならずや。斯様思いつつ石ゴカイを餌に、昨日と同じ箇所へ又候投入す。潮は相当引きし。既に底りの様相を呈したり。昨夕を顧みれば、付場に集いし鯊を釣るは容易ならん。案に相違せず早早に触り之有。鉤先口中に這入りし頃合いを見計らいて、穂先を軽く訊きたり。果たして5寸弱の鯊を恙無く確保す。今朝も坊主は免れりと安堵。8時迄に都合4匹の鯊を掛けたり。型は凡そ同じくして悉く5寸を上回らず。最早当所の癖と言うべし。踵を返し、鮒竿にて小鮒を釣らんと温泉前へ立ち寄れり。然れど小鮒は釣れずして、掛かりたるは箆鮒のみ。9時より13時納竿迄に箆鮒47枚なれど、昨日の西之森と異にし所詮外魚にて閉口す。珍しきは高麗諸子を釣りたり。当節産卵の為、本流より支流へ遡上せしかか。木曽川水系の魚種と雖も、近年は数を減らして滅多に見ること能わず。小鮒は無之乍ら稀有なる高麗諸子を釣りて、徒然の憂さを晴らしたり。
令和5年12月23日(土)
令和5年12月23日(土) 晴れ時時曇り一時雪
昨晩より降雪あるも積もるに至らず。往路恙無く長島漁港へ到達す。気温1度乍ら無風にして凪、薄く雲が棚引きて放射冷却を免れしせいか、空気に潤い有之。曝されし指先も痛まず。6時より開始せり。石ゴカイ1疋を鉤先へ掛け、何時もの顰みに倣いて、暗き中を沈船の縁へ目掛け投入す。本日9時が底りなれど、水位は既に引きし。街灯の微かな光で護岸の矢板すら見えたり。厳しき釣況と思えども、投入直後より手許へ鯊の触りを感応す。暫し俟ちて穂先を訊けば、上手く鯊の口先へ鉤を掛けたり。早早に1匹目を確保せり。但し彼の地の顰に倣いて5寸へ僅かに届かず。無理に伸ばしても詮無し。単発乍ら釣れ続きて、8時の納竿迄に〆て5匹。型は4寸上から5寸弱と毎度の如し。15時満潮迄の潮待ちに、徒然の憂さ晴らしで西之森の箆鮒を釣らんとす。稀有にも釣り人多からず。北向き関西本線築堤側で18尺の竿を振るも、初手に掛かりしは2尺の鯰なり。うねうねと抗いて寄せるにも難儀す。続いて来訪せるは大鯉と大いに閉口したり。長竿諦め9尺に変えて後、漸く箆鮒を掛け安堵す。13時半に竿を仕舞いて、長島漁港へ曾遊。既に潮は満ちたり。好き雰囲気と思えども、潮満ちて鯊は各各散らばりしか、朝間詰めの如き反応無之。案に相違し、納竿の16時半迄に釣れたる鯊は僅か1匹のみ。鯊少なき折にて、底り間際に集いし箇所を狙うが奏功と得心す。明日は亦、朝間詰めに再訪せん思いて帰途に就けり。
令和5年12月17日(日)
令和5年12月17日(日) 晴れ時時曇り一時雪 風強し
昨日より天候一変。北西の寒風吹き荒れ気温低下著し。中秋より師走に引き戻さたり。6時前に長島漁港着。此処は風裏の筈なれど、冷たき強風は港内にも吹き込みて、いつもは凪の港内も水面に縮緬波を生じ、軟調子の鯊竿は風に煽られて用を為さず。已む無く硬調子の竿に交換す。未だ明けきらぬ6時20分、昨日残りし石ゴカイを鉤先へ通し、薄暗き街灯の明かりを倚みに投入せり。刹那、ゴツゴツとした触り有之。暫し道糸を緩め、而して穂先を上げ訊けば、鉤先が鯊の口に刺さりて驚きたるか、更に激しく手許へ感応したり。急ぎ合わせを入れ、恙無く鯊を確保す。型は4寸3分乍ら坊主は逃れり。爾後は当たり無之。8時半納竿。帰途に西之森へ立ち寄り、10時から12時迄に箆鮒10枚、鯉5匹、鯰1匹を釣りて後、今度こそ帰宅したり。
令和5年12月16日(土)
令和5年12月16日(土) 曇り時時雨
歳末恒例の忘年会により夜半帰宅。本日も夕刻より忘年会有之に就き、凡そ竿を出せる時間は一刻余り乍ら、長島漁港へと釣遊す。暗い色の雲が低く垂れ込め、今にも雨粒を落ちるが如き不景気な天候なれど、無風にして気温は中秋の頃合に近し。12時より開始せり。中潮の8時13分満潮、13時42分干潮にて、既に底り近ければ、普段は底に沈みし沈船も見えたるかと思えども、水色笹濁りの所為か微かに輪郭を視認能うのみ。途上贖いたる石ゴカイを鉤に通し、沈みし船陰に潜める鯊の鼻先へ仕掛けを投ぜり。寸刻も待たずに手許へ触り感触有之。続いて先週同様に明確な食い当たりで先ずは1匹を確保す。型は4寸3分。餌付きし音に他の鯊も漸次反応せるか、或いは底り間近く群れて一箇所へ集えるか、場所を違えず4匹連続で鯊を掛けたり。釣り切れで気配の途切れを契機に次へと転移す。此方は小鯊らしき派手な当たりで3寸の鯊を釣るも、爾後は鉤先へ鯊を捉えるに及ばす。曇天より時折雨粒が落ちる中、納竿の時刻迫りて再び沈船へと戻れり。釣り残りし鯊も警戒を解きたればと、些か手前勝手な期待を以て仕掛けを投ずるに、暫し後に鋭き当たり有之。而して穂先を上方へ持ち上げたれば、水面を割りしは4寸8分と本日最長寸の鯊なり。又しても5寸届かずと雖も、短時間に〆て5匹の鯊を確保せるは、師走に重畳なる釣果と満悦す。竿を畳みて長島港より踵を返せり。後刻、朝日池へ赴きし某氏から、本日箆鮒活性高ければ釣果数多との一報有之。悪き空色と雖も、釣遊の適宜日に相違無之と云爾。