阿房の釣り通ひ」カテゴリーアーカイブ

令和6年4月28日(日)

令和6年4月28日(日) 晴れ
 昨日の残りし岩蟹を携え、4時半より常滑前島港へ出遊。9時迄落とし込むも気配すら皆無。遂に誰も竿を曲げたる機会に相覲えず。未だ残れる岩蟹は海へと投ぜり。

令和6年4月27日(土)

令和6年4月27日(土) 雨
 堺出島港5時解纜の渡船で大阪南港セル石へ出遊。黄金週間初日なれど雨天にて釣客少なし。セル石へ渡りしは〆て5名。残りは新波止へと向かえり。潮汐中潮。8時前に満潮を予定せり。朝間詰めが時合と落とし込めども黒鯛よりの当たり無之。セル石を諦め宇部波止へ転進す。11時の帰り船まで半刻を切りし10時40分、岩蟹を餌に落とし込みて、俄かに目印を引っ手繰る走り当たり出来。暫し抗いて後、恙無く玉網へと黒鯛を誘導す。型は34糎。是を以て納竿し、帰り船へと乗り込めり。

令和6年4月20日(土) 

令和6年4月20日(土) 晴れ
 堺市出島漁港より4時解䌫の渡船で大阪南港セル石へ釣遊。乗り込みし船内は釣り客と道具の類で満杯にて、船首の隙間に腰を据えたり。未だ暗き海上を進み、先ず着きたる新波止で釣り客の大半が下船す。セル石へ渡りし客は2人のみ。夜明けを俟ちて、5時前よりゼンボを餌に落とし込みたり。潮汐は大潮前の中潮。5時半満潮にて潮位高くも、潮色は頗る透きし。完全に日が昇る前に釣らねば、本日も坊主は必定と覚悟せり。然るに1時間程は反応皆無。僅かに潮の動き出したる5時50分、潮の流れに馴染み、セル石の海面下に没せる顎の中へと入り込みたる目印仕掛けが、途上で俄かに止まれり。刹那に合わせると抗う魚の手応え有之。而して海面へと浮きしは黒鯛なり。但し思いの外に抗わず。玉網へと魚体を入り能うも容易し。型は37糎。小型と雖も、漸く確保せる今季初の黒鯛なれば、長寸の是非に及ばず。甚だ安堵せり。続けて6時10分にも黒鯛を1枚確保す。36糎と同類の型なり。爾後は些かも潮動かず。黒鯛の気配も無之。予定より一便早き9時の戻り船にて出島漁港へ帰還せり。復路は堺を出でて天理より名阪国道を東進す。未だ早ければ、途上の伊賀に立ち寄りて、午餐に味噌田楽を食したり。大概は混雑せる老肆なれど、即座に通し入れられ、田楽二箱を空けて満喫す。名阪国道へと復し、恙無く帰宅に及びたり。

令和6年4月13日(土)

令和6年4月13日(土) 晴れ
 当初は南港セル石へ渡る心算なれど、俄かに川崎新堤へ行かんと思い立ちて進路を東へと転じたり。途上、東名高速道路の安部川橋梁を過ぎた辺りで発動機より異音有之。変速を試みるも出力上がらず。何事かならんやと訝しく思ひしところ、警告の赤点灯表示が発せらるるに及び、丁度差し掛かれる日本平休息所の駐車場へ自動車を停めたり。発動機の潤滑油不足が要因と判明す。是に於いては東進を諦めるより無之。夜明かしの上、次の清水で一般道へ出で、然る可き店舗が開くのを待ちて、不測の潤滑油を満たし、踵を返さんと決す。4時過ぎに再び発車したり。発動機の異音は収まらず。暫し走りて清水へ至り、当該の店舗が開く迄は先回の場所にて落とし込まんと赴けり。よもや此処へ至らんと思わず。せめて黒鯛の1枚は釣れんやと、5時前より開始す。ゼンボを餌に鉤素を馴染ませ、目印仕掛けを払いし途端、一気に引き込める当たり有之。又候黄鰭やと思いしかど、抗いし引き込みの重さは過日の比に非ず。而して数度の締め込みを耐え海面へと導かば、予想を違わず魚体燻銀の黒鯛なり。加之、型は年無し近し。抗う勢い衰え足元へと近寄りて、愈愈網に入れんと背負いし柄に手を掛けたり。獲物は此方の意図を読めるや、復も抗わんと海中へ没す。海面へ戻さんと竿を溜めた刹那、不意に手応え消失す。爰に至りて鉤外れやと、戻せし仕掛けを検めれば、鉤折れなり。下ろせし許りの伊勢尼7号が軸で見事に切断す。鉤折れを警戒し軸太き伊勢尼を選ぶに、斯かる次第は何の仕打ちぞと声を荒げり。爾後は当たり皆無。10時の店開きに合わせて納竿す。恙無く潤滑油を補填して発動機も常軌に復せり。安堵して店を出でたるも、僅か寸刻で車輪に破裂音有之。釘を踏み抜きし。幸甚にも店は未だ遠からず。急ぎ戻りて修繕に及びたり。真に以て近来稀なる災厄日となりし。忌忌しきこと甚だしけれ。

令和6年4月7日(日) 

令和6年4月7日(日) 曇りのち晴れ
 4時前に清水港着。昨日の晴空は曇天一変す。夜半に雨が降りしか路面濡れたり。本日の潮汐は大潮にて4時43分満潮なり。雲が遮りしか中中夜は明けず。潮の動き出す刹那を狙いし小場所なれば、気が気で無し。微かな明かりを導に5時前より漸く開始す。岩蟹を餌に堤壁へと落としたり。僅かに動き出でたる潮の流れに乗りて、波除の為に抉れる堤壁下部奥へと入り込みし。其の刹那、目印仕掛けが俄かに海中へと走りたり。空かさず合わせるに、抗う魚の手応え有之。鉤素は1.5号と太ければ、強引に前方へと引き摺り出さんと企図す。思いの外素直に沖へと出でし。海面で浮きたる魚体は30糎程の小物にして、容易く出でしも宜なるかな。然れども今季初の獲物なり。慎重に玉網へと収容す。陸へ上げて見分せるに、思わず声を上げたり。魚体は白く、出でたる鰭も黄色に染まりし。是乃ち黄鰭鯛にして黒鯛に非ず。黒鯛の眷属と雖も外魚なり。爾後は当たり皆無。7時半納竿。本日も亦、黒鯛は掛からず坊主に終われり。虚しく踵を返すより他に無之。

令和6年4月6日(土)

令和6年4月6日(土) 晴れ
 7時解纜のたまや渡船で大阪南港南防波堤、乃ち通称関電赤灯へ渡堤せり。7時半前、全長1600米の防波堤中程で下船。外向きの高場で海面より5米、内向きは1米乃至1米半と足場低し。南港へ入出港の大型貨客船に因りて引き波数多有之。内向きの低場は潮位高ければ、足元を浚いて殆し。本日は大潮前の中潮乍ら、既に潮は半ば引きて、引き波も堤上を浸す迄には至らず。海は凪にて平板の如し。空はやや霞つつも晴天、暑からず寒からず誠に結構な釣り日和と言えり。11時の戻り船に乗り込みて、南港より北港を一巡し渡船場に結纜す。渡船場に植わりし桜も満開となれり。名阪国道を経由し帰途へ着く途上も桜が咲き盛りし。観桜も兼ねて誠に寧日なり。

令和6年3月31日(日)

令和6年3月31日(日) 曇りのち晴れ
 夜半に堺を出立し、松原、天理、伊賀、亀山を経て四日市港の渡船場へと到る。5時半に解纜。本日も釣り客5人と少なし。新堤半ばより餌にゼンボを用いて落とし込みたり。新堤内側に沿い先端へと辿り著くも、目印は当たりを発さず。黄土色の水潮なれば已む無しと思いつつ、先端で岩蟹を鉤に刺し、前へ打ち込みて着底の刹那、穂先を叩く当たり有之。合わせるに暫し抗いた後、筍眼張が海面へと姿を見せし。長寸20糎。戯れに復た岩蟹を前へと投ずれば、孕みの笠子を相見ゆ。三度前へと放り込みたり。而して鉤先を根に掛けしか、竿を上げるに能わず。之を外さんと試みたれば、道糸と目印仕掛けの結合部に於いて断絶したり。今季に備えし新式の目印を早くも喪失す。今朝は黒鯛を釣らんと新堤へ渡りたるを健忘し、眼前の容易き根魚に執心せる報いなりや。昨日より憂き目に遭い続けたれば、最早多くを談らず。爾後は11時の戻り船で帰港せる迄の間、残れる記憶は甚だ薄し。何の因果を以て貴重なる暇日の浪費ならざらんやと、貧相な心持ちで帰途へ就きたり。

令和6年3月30日(土)

令和6年3月30日(土) 晴れ
 1時出立。堺市出島漁港5時半解纜の渡船にて大阪南港セル石へ渡岸せり。船上は釣り客のみならず道具類で立錐の余地無之。舳先の隙間に身を屈め、約20分の航程を過ごしたり。6時より落とし込みを開始。前日迄の大雨にて大和川から流入せる川水の所為か、潮色は茶緑となりし。泥水を覚悟せしも、其れ程の水潮とは言い難し。畝りも亦有之。8時頃に満潮を迎える潮周りなれば、頃合いも宜しとセル石の際へと、ゼンボを餌に落とし込みたり。早早に止めの当たりを取りて掛けるも刹那に外れし。流石は魚影濃き大阪湾なればこそと、次は確実に黒鯛を仕留めんと意を強めたり。然れども爾後は一切の気配を発せず。17時の納竿前、漸く出たる二度目の当たりで掛けるも、復た之を虚しく掛け外しけり。最終の戻り船にて出島漁港へ帰港す。斯様な状況乍らも釣る可く人は容易く釣りたり。殷賑を極める満座の戻り船にて、自らの技巧無之と魚運拙きを憾むのみ。

令和6年3月23日(土)

令和6年3月23日(土) 雨
 師崎港6時25分解纜。先回は障泥烏賊狙いで混雑せし船室も、今朝同船せるは釣客2人のみ。篠島の海上釣堀へ赴くとの由。日間賀島西港で下船す。西港突堤にも釣り人は見当たらず。小雨降り止まぬ中、海岸沿いに東港を目指して歩を進めけり。大潮にて潮位高し。途上に散見の岩礁も悉く海没す。前打ち竿にて岩陰に打ち込むも触り無之。鉤に掛かれるは、東港突堤の消波塊帯狭間より上げし小笠子1匹のみ。折好く東港9時30分解纜の便船を掴まえ、日間賀島を後に篠島へ向かいたり。下船早早、東部護岸へと赴けるに、潮は引きて海没せし石積みも露出す。頃合い宜しと前へと打ち込むも、掌大の筍眼張が1匹掛かりし他は根掛かり数多頻発。11時半に竿を収め、篠島港12時10分解纜の戻り船で師崎へと帰還せり。本日餌に用いし烏賊の塩辛が雨滴と共に身体へ付着せしか、復路車中は件の臭い充ちて甚だ閉口す。突飛なる餌は避ける可しとぞ思い強めたり。

令和6年3月17日(日) 

令和6年3月17日(日) 曇り一時晴れ
 師崎港6時25分解纜の初便で日間賀島へ渡島。何時もは同船者疎らなるも、本日は船室に釣客多し。仄聞せるに障泥烏賊が接岸せる由。乗船の砌、列を為す末尾にて居りては、船室へ這入るも能わず。船尾露天甲板に設けられし椅子へ腰を据えたり。海が荒れたれば波飛沫を被り及ぶに相違無之。幸甚にも凪の海を船は進みて杞憂に終われり。篠島で大半が下船す。代わりに徹夜釣りの釣り客を数多乗せし。船内の混み具合は左程変わらず。篠島での乗り降りに手間取り、日間賀島西港へは凡そ5分遅延の結纜なり。西港より徒歩約40分、本島北端に位置せる久淵港突堤先端部へ到達す。先端部外側は平積みの混泥凝土消波塊にして移動も容易し。8時過ぎより開始。消波塊に石蓴らしき付着も見られ、或いは海藻類が生い茂りて、根魚等の住処に相応しきと思いつつ、海没せる消波塊の隙間へ順順に打ち込むも、案に相違して触りは無之。渡船場より遠きと雖も、足場良き場所にして場荒れは免れず。何処も同じならんか。早早に踵を返さんと企図しつつ、然りとて諦め難く穴へ落とし込むに、9時を回りし頃、漸く笠子が鉤へと掛かりし。長寸18糎。孕みなれば放てり。潮は満ち流れ緩慢なれど、丁度時合の頃合いなるや、直ぐに穂先を締め込む強引有之。狭き狭間より抜き上げんと欲すも、些か粘りて難渋す。但し鮎魚女の類に非ず。恐らく筍眼張に相違無し。海面を割りて姿を見せしは、予想に違えず彼の魚なり。19糎の良型と雖も、其の身は旨からず。故に海へと還したり。爾後は当たり無之。10時半納竿。復路は徒歩20分の北港より乗船す。11時10分解纜。大型の車両航送船へ乗り込みし船客は僅か2名のみ。船室の座席へ腰を据えた刹那、徒労著く意識を保つに能わず。気付けば早くも師崎港に結纜しつつあり。荷物を携え急ぎ下船に及ぶ。眠りし儘に復た島へと航送される失態は免れたりと安堵す。