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令和6年9月1日(日)

令和6年9月1日(日) 晴れのち曇り
 本土へ襲来せる台風10号が迷走の上、前日は釣遊に及ばず。明日も亦、恐らく釣りに為らずと諦めつつ、翌日の天気予報を漫ろに眺めれば、天佑神助か天竜川の河口一帯のみ雨師を払いて晴れとの由。斯くして釣遊に及べり。途上岩蟹を採取し、11時より天竜川河口にて開始す。大潮の底り寸前乍ら微かに潮流有之。船溜まりより天竜川本流へ出でる流れに岩蟹を乗せ、丹念に底を這わせれば、自ずと穂先を締め込めり。恙無く玉に入りし。型は尺程度の黒鯛なり。13時半、俄かに黒雲覆いて殆く納竿。釣果は長寸32、30、28、25糎の〆て4枚。踵を返して帰宅後、川井氏に本日は黒鯛4枚確保せりと報せれば、「台風襲来の砌、不急不要の出遊に及ばざる我こそはお利口さんなり」との返信有之。

令和6年5月5日(日)

令和6年5月5日(日) 晴れ
 復路も凪にて恙無き航海なり。明石大橋の下を潜り、神戸港へ定刻7時55分結纜。阪神電鉄魚崎駅より難波駅へと至り、同駅9時30分発の特急で名古屋へと帰還す。

令和6年5月4日(土) 

令和6年5月4日(土) 晴れ時時曇り
 就寝中も海路穏やかにて、定刻7時55分に別府港結纜。乗合自動車に乗り込み、由布院駅へと至れり。駅前は混雑著し。辟易して踵を返し、早早に乗合自動車で別府駅迄戻りたり。復路は隣国からの旅行者多し。往路復路共に由布岳近傍を走れば、窓外の眺望は誠に奇観して堪能せり。昼餐後別府市内循環の乗合自動車で巡りて後、駅前の高等温泉へ入湯。喫茶店で暫し涼み、16時3分発の日豊本線普通列車で別府を出立す。西大分駅で下車。西大分港19時30分解纜の神戸行船舶で九州の地を離れたり。

令和6年5月3日(金)

令和6年5月3日(金) 晴れ
 近鉄名古屋駅13時30分発の特急で出立。難波を経由し、大阪南港20時05分解纜の別府行船舶へと乗り込みて就寝せり。

令和6年3月24日(水)

令和6年3月24日(水) 曇りのち雨
 6時解纜。四日市一文字へ渡堤す。同船者4名と釣り客少なし。沖堤では夜通し釣りせし凡そ20名前後が、戻り船を持ち受けたり。首尾は上上らしき。堤へ上がりし中、3名は新堤へ向かえり。潮高きは朝方のみなれば、不敢取ゼンボを餌に中堤内側より落し込むも、黒鯛の気配は無之。而して本虫代わりに贖いたる太き青虫を用い、根魚狙いに転向す。然れども昨日来の雨で食い渋りしか、一向に当たりは顕示せず。斯くして使わざると決めたる烏賊の塩辛を復た鉤へと通したり。刹那、臭いに誘われたる笠子を容易く釣り得し。長寸21糎。爾後は暫し間、曹以も混じりて大小の笠子が釣れ続けり。10時半納竿。11時の戻り船で帰港す。概ね20糎上の3尾を持ち帰り、夕餉に煮付けて之を食せり。

令和6年2月10日(土)

令和6年2月10日(土) 晴れ
 鮎魚女を釣らんと俄かに思い立ちて、師崎港9時45分解纜の高速船で篠島へ渡島す。9時55分着。篠島とは数えて20年近く疎遠なれば、釣況詳らかならず。不敢取は昔日の記憶を頼り、徒歩にて釣場を目指したり。凡そ半刻後、目指せる処へ到達す。但し立入禁止の表札有之。踵を返して他所を当たるも、加齢が祟りて脚力が及ばず。途上で断念す。已む無く乗船場近くの足場良き場所にて竿を出したり。以前訪島の折には見かけず。近年整備されしか。斜面に平置きされたる井桁状の混泥凝土塊が沖まで配置されし。海苔若しくは海藻の類、井桁に付着して根魚数多潜めると推定されたり。時刻は11時。12時半に底りなれば、既に海面下部分も相当露呈す。藻類に足場を取られぬよう歩を進め、7尺中通し竿、餌は釜揚げ桜海老を用い、隣接せる井桁塊の隙間へと投入せり。砂礫に埋まり穴は深からず。更に潮引きて沖の隙間の視認容易となり、漸く深き隙間へと投入叶いし。錘の着底を確認し、暫し俟ちたり。突如穂先が締め込まれ、刹那の合わせで海面より上げられしは、見当10糎程の笠子なれど、鉤より外れて落水す。続いて銀宝らしき長物を外したり。伊勢尼8号より5号に変更す。功を奏して先に釣れし程の笠子が鉤先に掛かれり。足場宜しく乗船場至近の処なれば、場荒れは避けるに能わず。而して小物許りは致し方無之。長竿に替え、沖の沈み根を狙うより他に術は見当たらず。一旦戻る可しと顧みるに、随分と遠くへと歩きたり。戻る手間を惜しみ、7尺竿の儘で続行す。暫し後、竿下に根魚が如何にも潜める様相の深き狭間が目に止まれり。投入の刹那、穂先の微かな抑え込みで合わせるに、待望の鮎魚女が掛かりし。長寸は23糎。胴太く魚体に黄金色を帯びたり。鮎魚女に如かず。近縁の久慈目なり。未だ残れりかと、同じ狭間へ落し込めば、復た久慈目を確保す。鮎魚女に非ずと雖も、釣果に不満無之。小物を屡屡釣りたる中、13時半に20糎の笠子を釣りて、波高まりし14時に納竿す。〆て3匹。14時25分出帆の便で篠島を後にす。帰宅後早早に、釣れし久慈目と笠子を煮付けたり。味付けは酒と醤油、砂糖のみ。濃い目に仕立てし。笠子は些か磯臭き癖有之。然れど久慈目の身は硬からず、身色は真白く木目細かし。舌触り宜しけれぱ、嫌な癖も感ぜられず。微かな甘みを含み甚だ旨し。久慈目は鮎魚女に劣るとの世評乍ら、食味に遜色無之。一入の味わいを堪能したり。