令和5年9月18日(月) 曇りのち晴れ
3時半出立。米洗川河口への往路進行中、暗き色の雲が低く垂れ込め、今にも雨粒降下せぬかと気掛かりなれど、黎明を機に雲の密集は逃散の如くなりて安堵す。多湿なれど涼風吹きて気温低し。5時半より開始せり。満潮7時半を境に前後2時間にて、釣れたる鯊は〆て155匹なり。昨日のシラス餌は本日も功を奏す。型も均して4寸乃至5寸。肥え太りて胴太き魚体多し。掛けて底より上げたる折、抗いて泳ぎける鯊に因りて糸鳴りを発したり。斯くなれば、一束のみならず二束の釣果も能うやと思いけるも、鉤先より外れしシラス餌もまた多し。瞬く間に餌箱よりシラスは払底せり。試しに塩イソメを投じても、闇雲に空当たりを乱発すのみ。最早納竿已む無し。シラス餌の徒な冗費の抑制を爾今の課題としつつ、帰途に就きたり。
令和5年9月17日(日)
令和5年9月17日(日) 晴れ一時曇り
5時過ぎ西尾市小栗町着。蒸し暑きは昨日同様、平坂入江寺津橋下にて5時半より開始す。潮満ちて護岸下段を浸せり。1時間許り寺津橋上下流に沿いて竿を出すも鯊は釣れず。掛かれるは虚鯊と柊魚ばかりなり。付近の矢作川大橋下へ転進す。暑さ凌ぎで釣客は橋下の陰に集結したり。既に満潮を迎え、竿下で水深2米程。河口なれば水の動き見られず。投入直後より競り有之。空当たりのみは昨日の顰みに倣いて、鉤を袖スレ1号に交換す。餌は思うところ有りて、昨日帰路に贖いたる釜茹でのシラスを用いたり。脆弱なるシラスを更に茹でだれば、鉤先を通すも難渋す。爪先を立てるが如く、鉤先をシラスの腹部へ挿し込み、鉤先を抜かずに留めたり。果たして鯊は釣れざるやと、シラスが外れぬよう緩やかに投ず。而して着底と同時に手許へ微振動有之。穂先を軽く煽りたれば、鉤に掛かりたる鯊、抵抗虚しく水面に露出す。僅か2寸の小鯊乍ら、その薄き上唇に鉤先が乗りたり。7時より10時半の納竿迄に釣れたる鯊は〆て35匹。餌は塩イソメで掛けたる鯊7匹の他、残り28匹は悉くシラスなれば、企図は功を奏したり。惜しむらくは、満ち潮よりの下げで一挙に水が動きて釣りにならず。漸く潮流収まりたる砌、鯊も散りて如何とも為し難し。明朝は亦、米洗川河口にてシラス餌の効能を試さんと帰途に就きたり。
令和5年9月16日(土)
令和5年9月16日(土) 晴れ
早朝より高温多湿にて大いに閉口。四日市市米洗川河口にて、5時半より開始せり。本日大潮。満潮6時半にて、潮汐は凡そ高潮近し。例年は鯊釣りで殷賑を極めし界隈乍ら、鯊掛かり難き所為か釣客の数は疎らなり。潮止まり近くして満水、動き緩慢なれば、鯊の活性も低いと思いつつ、様子見で塩イソメを投ずるに、競りの反応有之。小さく千切りて再び投ぜれば、忽ちに鯊を確保す。型は2寸程の小鯊にして、今日も大きさを望む可きには非ず。9時半納竿。〆て85匹なり。均して3寸乃至4寸の鯊なれば空合わせ多し。鉤に掛からざれば、秋の三連休初日して釣客疎らなるも肯べなるかな。対策を要す。復路立ち寄りたる食糧肆にて、井村屋こしあんバーなる氷菓を贖えり。此頃人口に膾炙して、入手甚だ困難と仄聞す。漉し餡なれば小豆の粒無之。舌触り滑らかなるも、物足らぬ感は些かならず。
令和5年9月10日(日)
令和5年9月10日(日) 晴れ
5時20分より木曽川左岸の尾張大橋下流弥冨港で鯊を釣す。名港標準にて満潮2時、干潮9時の若潮なり。朝間詰めの釣りには向かず。然るに河口より凡そ10粁上流の尾張大橋付近ならば潮汐に約1時間の差異有之。是を頼みに釣遊先を銓衡す。既に先行者数名が竿を出しけるに、肝心の鯊が釣れたる素振りは見られず。近くを通りし折、仲間連と思われし二人組、互いに鯊が釣れぬと嘆くを仄聞す。歩みを進めて釣場へ達せり。水没したる石積み、テトラの類も露わになりて思いしよりも潮位は低し。見込み下げ5分程乍ら、船溜故にて水深は2米有之。竿9尺を用い、竿下へ仕掛けを投ず。着底の刹那、小気味良き当たりにて掛かりしは2寸許りの小鯊なり。爰も亦、他所の顰みに倣いて小鯊湧きて鉤に掛かり難し。7時半に納竿。釣れし鯊〆て30匹の内、3乃至4寸の型は10匹にも満たず。一旦帰宅後、夕刻は伊藤釣具外池で鰉を釣せり。余りの痩躯に暫し鰉と肯せず。昨秋爾来の鉤掛かりなれば、椿魚と久闊を叙したり。
令和5年9月9日(土)
令和5年9月9日(土) 晴れ
先週と同じく四日市市米洗川河口近辺で10時半より開始。長潮にて16時の満潮迄時間の猶予有之。8時前の底りから2時間余しか経過せず。上げ三分程度。敷石も未だ露出せるところ多し。斯様な時分より竿を出したるは、潮位低き内なれば、潮満ちて分散せる鯊も、底の窪み等深き所に溜れりと推察せんが所以なり。果たして此方の図に乗り、都合良く鯊の付き場を見出せるや否や。先ずは竿12尺を用い沖の駆け上がりを狙うも不発。その儘、沖より横誘いにて微かに錘の浮沈を繰り返しつつ、手前まで寄せ来たると漸く鯊の競りに当たれり。暫し俟ちて鉤に掛かりしは真鯊、所謂鯊に非ず。虚鯊なり。真鯊とは眷属乍ら容姿は比して猛し。端から外魚とは聊か面白からず。転じて堤壁ボタ底へ仕掛け投入す。刹那に4寸余の鯊を確保。続けて同じ型の鯊が複数掛かりて、付き場は堤壁のボタ底と判明す。当たり遠のきては移動を繰り返し、ボタ底に付きたる鯊の群れを探せり。正午までに鯊は52匹を数えし。型は不可思議なるも凡そ4寸前後に終始したり。潮満ちて次第に鯊は各々分散す。当たりも疎らにして、掛かりたる鯊は、沖の深場より潮と一緒に差し込める小指大の小鯊と化せり。14時にて釣り止め。釣果は〆て86匹なれど、正午過ぎてより釣れたる鯊は、悉く小鯊に終始せり。復路に伊藤釣具の外池で2時間ばかり竿を出し、19時前に帰宅す。
令和5年9月3日(日)
令和5年9月3日(日) 晴れ
3時出立。釣遊先の子細は定めず。凡その心積もりで往路の途次に思案すれども、結局は豊川市御津町の釣場にて5時より開始せり。潮位は未だ低し。既に満ちたる昨日と異にす。竿12尺、餌は塩イソメを用いたり。当たり皆無にて、先回は五月蠅きくらい沸きしデキ鯊の競りは何処にやと、順々に釣場を移動せるも、進展は見られず。6時半を回りて、漸く鯊に動き有之。然れども7時過ぎの潮止まり迄に釣れたる鯊は、僅かに7匹を数えるのみ。型は言うに及ばず。今更転進も望み薄し。潮の下げ始めに期待せざるより術は無之。暫時俟ちて8時半頃に潮が流下す。而して是を契機に鯊の活性もまた嵩じたり。下げより一刻半程の間に〆て49匹を確保。型は均して小指乃至は中指の大きさと雖も、鯊の勢は正に掌を返すが如し。しかのみならず、鯊との間合い合致し、当たりを適宜捉え、能く鯊の上唇に鉤先を乗せ被れしは、幾星霜久しく無之椿事なり。寸刻の間乍ら稀有なる事象に邂逅す。恣に鯊を掛けし砌の、微かに背筋を走るが如き、得も言われぬ閑静な喜悦は、世界広しと雖も本邦に於ける鯊の脈釣り以外、厳寒期の鱮釣りを芟除してなお、比肩の探求に能わざると断じても、拙考浅慮の譏りは概ね免れ得る筈との迷妄に淫りつつ、竿を納めて帰途へと就きたり。
令和5年9月2日(土)
令和5年9月2日(土) 晴れ
中潮7時10分の満潮に合わせ、四日市市米洗(よない)川河口近隣で5時より鯊釣り。既に潮位上がりて、差し込む潮流は緩慢なり。河口一帯は既に釣り人多し。概ね鯊狙いと思しき。中通し竿八尺、鉤は鯊スレ4号、餌塩イソメを用い、竿下へ仕掛けを振り込み、底を叩きて縦に上下誘いたれば、早々に鯊の反応有之。乗りの感触に合わせるも、空振りで鯊は掛からず。爾後幾重も同じ顰に倣いて余程の小鯊に相違無之と、鉤をもう1号落として漸く鯊が掛かりし。型は二寸届くも危うし程の鯊なり。夏鯊というには幾分型寸足らず。近年各地で小鯊が秋になりても未だ数多存せしと仄聞す。秋分を過ぎてなお海水温高き故、鯊の産卵遅延を惹起せるとの由。7時過ぎに潮止まりて鯊の食いもまた止みたり。9時過ぎ、潮の下げと共に鯊の活性も再び上がりて、手許に競りの感触戻りし。然れども緩慢に推移せし上げと異にす。潮位の下降著しき。10時半には再び鯊の感触皆無。今回もまた沸きし小鯊に難儀す。辛うじて掛けたる鯊は〆て35匹なり。型は大きくとも4寸前後。甚だ半端なる釣果なれば、貧相の感は聊かならず。斯くして明日も復た鯊釣りへ赴かず可からずと決す。帰宅途次に寄りたる伊藤釣具外池で鮒、諸子等を釣りて、漸く多少の留飲を下げたり。
令和5年8月26日(土)
令和5年8月26日(土) 晴れ
5時より11時半まで、湖北の大浦川、石田川、百瀬川にて小鮎を需て釣遊。台風7号で復せし水位も渇水にて川底著し。爰にとぞ思はれし場所へ赴くも、小鮎の気配皆無なり。9時までに釣れたる小鮎は10匹に満たず。知内川、大川は既に釣客満座の様相を呈せり。斯くして小鮎は諦念せざるを得ずと思えども、9月朔日よりの禁漁期迫りて、今季は本日が小鮎釣り最後の為、容易に帰途へと就き難し。そう思いつつも釣り場巡りは奏功せず。徒に時間を浪費す。数か所目にて水位が極端に減りし川面を漫然と眺めたれば、俄かに小鮎が複数飛びて遡上したるを見ゆ。川幅は有れど川底は均して水深無之。仕掛けを流すのも労せし場所にて食指は動かず。然れども此処を逃せば、最早望みは絶たれしと竿を出せり。案に相違し1時間余りで42匹の小鮎を確保す。型は3、4寸と雖も懸る時局にて如くはなし。〆て50余りの小鮎を釣果にして、今季の有終を飾れり。
令和5年8月20日(日)
令和5年8月20日(日) 晴れ
連日酷暑と雖も立秋過ぎたれば、そろそろ鯊を釣らんと、中通し竿に今年も恙無く道糸を通せり。未だ時期尚早と思いつつ、様子見を兼ねて鯊釣りへと出立す。5時過ぎに豊川市御津町着。7時半満潮を見据え、凡そ2時間前の5時半より始めたり。先般の台風7号による降雨の所為か、水潮気味にて聊か泥濘の濁り有之。竿7尺、ヤマメ鉤5号、塩イソメを餌に投入す。誘いて競りの刹那、手元へ乗りの感触伝わりて、軽く穂先を訊かば飴色の鯊が掛かれり。型は4寸程。典型的な夏鯊なり。続きて底を切るのに抗う強引きで5寸大の鯊を確保す。中々宜しき状況なりと思うも、爾後は鉤に掛けるのも難渋せり。正体は指の大きさと等しき小鯊なれば、10時半の納竿迄〆て69匹を確保せるも、軒並み端緒の型には如かず。斯くなれば暫し間を置きて後、鯊の育成如何なりやと再び釣遊に及ぶべし。
令和5年8月19日(土)
令和5年8月19日(土) 曇りのち晴れ
2時半に出立。数分後、伊藤釣具に差し掛かりて、店前に蠢く物体を視認せり。訝しく思いつつ接近す。物体の正体は野生の鹿なり。車の接近に怯える素振りも見せず。此店は濃尾平野に在りて近隣に山林無之。何処より迷い来れりやと驚愕す。4時半に湖北の高島市へと達せり。台風7号の接近に因りて水位回復、既に水色透明化し、頗る環境宜しきを得て、5時より12時の間に189匹を確保す。居着きの小鮎は台風の大水で流されしか、本湖より遡上して日の浅き銀無垢の若い魚体ばかりなり。帰宅後、味噌炊きにて調理す。此の頃は生育し、骨の気になる小鮎数多にも拘わらず、身は柔らかくして骨の感触無之。図らずも時機外れの恩恵を享受せしは甚だ僥倖と覚えり。